<国会の信頼性?>欠席常連議員・居眠り議員はガーシーを懲罰できるのか?


気になるガーシー

藤本貴之[東洋大学 教授・博士(学術)/メディア学者]

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当選後、国会を欠席し続けるNHK党ガーシー参議院議員。1月23日に招集された通常国会にも登院しなかったとして、与党・自民党ガーシー議員への懲罰を提案した。懲罰には、「除名」「登院停止」「議場での陳謝」「戒告」があり、一番重い「除名」ともなれば議員の身分を失う。

自民党は、このまま欠席が続けば、「国会の信頼が損なわれる」と判断したのだという。しかし、この報道を見て、「おい、お前らが国会の信頼などと言えるのか?」と違和感を感じる人は多いはずだ。

まず、近年多発している議場での「居眠り」などの不誠実な態度の問題。地方議会を含め、最近この話題は多いが、見聞きするたびに、我が国の政治の信頼性が著しく損なわれているな、と痛感させられる。従来であれば黙認されていたことなのかもしれない「居眠り」も、今は国会中継に映ったわずかな映像が切り抜かれ、SNSで拡散され、すぐにその不誠実が暴かれる。

他にも、昭和を代表する宰相である故・田中角栄氏が、1986年7月に第38回総選挙トップ当選したものの、1990年の解散までの4年間、一度も登院しなかったことは有名だ。脳梗塞が原因で身体・言語障害が残ったことが登院できなかった理由であるが、いづれにせよ、一度も登院はしていない。これはどうなのか?

海外では、コロナ禍においてオンライン国会の議論も進んでいるが、事情があればオンライン参加可能性も議論されてしかるべきだ。今日、大学ですら「出席していれば単位がもらえる」というかつての遺習は根絶している。出席と活動実態や生産性、誠実さが無関係であることが明白であるためだ。それが知的行動であればなおさらだ。「登院している=仕事をしている=国会の信頼」は成り立たない。

もちろん、事情や許可なくオンラインにしたり、オンラインですら顔をださないようなことがあっては問題だが、NHK党はそのようなことは一言も言っていない。国会に出席したくない、と言っているのではなく、出席の方法として「物理的登院」しか許可されないのか? ということを問うているに過ぎない。オンライン登院が許されれば、間違いなく、ガーシー日本一活動的な国会議員になっているはずだ。

国会議員としての仕事や活動実態は「物理的登院」によって証明されるのか? その根拠は? 我々一般有権者にはとうてい理解ができない。実際、登院しても議場で居眠りをしているような議員に対して、私たちはなんの信頼をよせていないではないか。

[参考]<芸名?自称?>日本最後の「助教授」成田悠輔氏の謎

週刊誌フラッシュ」の調査によれば、2022年1月から6月に開催された第208回通常国会本会議に欠席率として以下のようなデータがある。

・山崎正昭(自民党・参)欠席率53.1%(32回中17回欠席)*元参議院議長
・北村誠吾(自民党・衆)欠席率51.5%(33回中17回欠席)*元閣僚
・島村 大(自民党・参)欠席率28.1%(32回中9回欠席)*元政務官
・伊波洋一(無所属・参)欠席率21.9%(32回中7回欠席)*元首長
河野太郎自民党・衆)欠席率18.2%(33回中6回欠席)*デジタル大臣
・江﨑鐵磨(自民党・衆)欠席率15.2%(33回中5回欠席) *元閣僚

ワースト上位2名の欠席率は五割を超え、3位も3割近い欠席となかなかのものだ。

一方で、庇うわけではないが、上記議員たちの欠席の理由は定かではないものの、彼らが国会議員として活動をしていないのか? 信頼を損なってはいないか? と問われればなんとも言えない。登院せずとも成果を出している可能性も高いので、「他に何もしてないクソ議員は他にいくらでもいるだろう」と言いたくなるからだ。

そもそも数値だけで言えば、ガーシー議員が3月に帰国して登院を開始した場合、会期である6月21日まで欠席をしなければ、上記のワースト議員の欠席率よりも低い数値となるだろう。その場合は、上記議員にも懲罰は提案されるのだろうか?

一方で、ガーシー議員は滞在しているドバイから情報やメッセージを無数に発信しており、「頻繁に国民に情報を発信している」ということは間違いない。その姿勢はさておき、「何をしているかわからない居眠り議員」と比べれば、確実に活動実態はあるし、動きも国民に可視化されている。

登院すればどのような発言や活動をするかも、本人だけでなく、NHK党立花孝志党首からも繰り返し伝えられており、居眠りとか、消息不明とか、議員ができない病状とかではないことは明らかだ。あれだけ有名なのだから、逃げることも隠れることもできない。

欠かさず登院していても、なんの発言も、国民へのメッセージも届けようとしない議員に比べれば、ガーシー議員に活動実態はあると感じるの筆者だけではあるまい。

もちろん現行法令・ルールによって、ガーシー議員の態度が責められるべきであることは間違いないので、それを庇おうとは思わない。しかし、ガーシー議員を攻め、裁こうとしている側と日本の国会の仕組みにも、大いに問題があるのではないか。



(出典 news.nicovideo.jp)




名無し

名無し

オンライン登院が必要だと思うならまず登院してからそのルールを作れよ

UE

UE

某党の過去の18連サボりが如何に異常だったのかよく分かるな。他のサボりも罰するガーシーも罰するのが正しいのであって他のサボりがいるからガーシーは許されたにはならんやろ、

民の命を最優先に考える金正恩

民の命を最優先に考える金正恩

脅迫と名誉毀損もやってるんですが、それは…

ほて

ほて

いや全休してるやつは誰だって批判できるだろ。「ネットで発信してるから居眠り議員よりマシ」ってどういう擁護だよ。頭おかしいのかこの記者

Kiyumi

Kiyumi

トップに揚げられている議員たちの欠席に至る経緯やその手続きも調べなきゃ意味ないんじゃない? 「登院しろって言ったって、日本にいねーし、帰る気もねーから出ねーよ!」は通らないと思う。

モッチー2643

モッチー2643

国会議員が自分達の行動を省みて発言するような人々なら「自党の政治家の不祥事の時に言葉を濁して他党の政治家の不祥事を追及する時は舌鋒鋭く」なんて事にはなっていないだろう。

エフィア

エフィア

欠席にもきちんとした理由があれば、寛恕されるよ。このドバイに逃げてる人は、理由も無いのに欠席してるから非難されているんです。

RT

RT

おまいうなのは確かだが、一線を画して比較にすらならんレベルであって、懲罰されて当然。むしろ懲罰と言う仕事をちゃんとしろと言う。

もっぷ

もっぷ

審議拒否の野党はスルーで自民批判っすか

J,C,F

J,C,F

拙くたって国会内で誰かがやらなきゃそれこそ国会そのものが崩壊する。あの無能議員1人のために全体を麻痺させるようなことはあってはならない。